ダニエル・マウリッツソンは、スウェーデンにあるBRIO本社の研究開発ユニットで、おもちゃのデザインを担当しています。新しいおもちゃをデザインする時に、彼はまず紙に一本の線を引きます。その線上に、最終の試作品ができあがるまでデザインの構想を書き留めていきます。デザインが完成するまでには半年以上、1年半もかかることがあります。
-おもちゃをデザインする時に、何を一番大切にしていますか?ー
「おもちゃのデザインには、4つのルールがあります。子どもが安全に遊べるおもちゃであること、BRIOの厳しい品質基準をクリアすること、子どもが直観的に理解しやすいこと、そして子どもを育てるおもちゃであることです。」
ー新しいおもちゃをデザインする時、完成したおもちゃが子どもの心をとらえるか、どうやって分かるのですか?ー
「おもちゃのデザイナーにとって一番大切なことは、子どもがどのように遊び、どのように考え、どのように行動するか、それを理解することです。そのために子どもたちがどのように新しいおもちゃに反応するか、長い時間をかけて検証し、学んだことをいかして、デザインを完成させます。この検証では、子どもたちが驚くような反応をするので、いつもわくわくします。本当に、子どもたちの創造力は素晴らしいと思います。」
ーおもちゃが子どもを育てるとは、どういう意味ですか?ー
「楽しませることと、育てることは、同じではありません。おもちゃは子どもを楽しませたり、なだめたりするためのものではないと、BRIOは考えます。良いおもちゃとは、子どもの創造力を刺激し、年齢を問わず、遊びを通じて子どもの成長を助けることができるものだと思います。たとえば、人気の「手押し車」もその一つです。
よちよち歩きの子どもは、手押し車を使って歩く練習をします。少し大きくなると、手押し車に色々な物を入れたりします。さらに大きくなると、手押し車に物をのせて運ぶようになります。良いおもちゃとは子どもの成長に合わせた使い方があること、それを念頭にデザインを行っています。」